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第165号(平成28年10月1日号)

特    集
「東日本大震災5年における神戸市の復興対応支援」

東日本大震災の被害は、阪神・淡路大震災を大きく上回り甚大かつ広範囲となった。その一方で、災害の第一次対応者となる市町村の多くが、小規模な団体で、また、職員自身の死亡・行方不明など行政機能に壊滅的な被害を受けた。そのため、被災市町村は、発災後の膨大な初動・応急・復旧・復興業務に、職員のマンパワーが追い付かず、外部からの人的支援が不可欠となった。

神戸市は、阪神・淡路大震災からの復興で、国内外から支援や協力を受けた自治体として、その感謝の気持ちを込めながら、初動期から継続して、職員OBを含む職員を被災自治体に派遣してきた。その概要と課題について、これまで「都市政策」の特集として2回取り上げた。2011年10月に発行した第145号で、初動期、応急期、復旧期における支援の概要・課題を特集した。また、2013年10月に発行した第153号で、発災から3年を経過した復興期における被災自治体のマンパワー確保に係わる課題を特集した。

東日本大震災の発生から5年が経過したが、膨大な復興事業に対応するために、引き続き、全国の自治体から多数の職員が派遣されているところである。神戸市も、昨年度には、岩手県大槌町、宮城県石巻市、名取市、南三陸町へ計12名の職員を派遣した。その派遣の経緯を概観しておくと、石巻市と名取市へは、関西広域連合の対口支援の枠組みの中で、各市長からの派遣要請によるものである。大槌町と南三陸町へは、それぞれの町長からの直接の派遣要請によるものである。いずれも、自治体間の連携協力による水平的な人的支援である。ただ、石巻市での埋蔵文化財発掘調査業務においては、文化庁が支援調整を行っている。

その一方で、発災から時間が経過するに伴って、他の自治体の理解、協力を得ることが難しくなってきている。職員を派遣する側の自治体は、厳しい定数管理等のために派遣する余裕がなくなっている。発災直後の応急対策は、災害対策法制度上、他自治体が応援要請への応諾努力義務があるのに対して、災害復旧復興事業は、他の自治体は応諾の努力義務がない。そのために、これまで、復旧復興事業への長期的職員派遣のあり方について十分な議論がなされてこなかったといえる。自治体連携による復興業務への職員の長期派遣のあり方を考える際に、まず、当派遣の現状と課題について把握する必要がある。そのような趣旨で、本号では、神戸市から、主に、昨年度まで派遣された職員の方々に、それぞれ体験談を紹介していただくとともに、長期派遣のあり方についての個人的な思いを語っていただくこととした。

巻頭論文である「災害時における広域連携支援の基本問題」では、基本的な広域復興支援の問題について論じていただいた。災害時に行政の広域連携支援が必要となった背景を明らかにした上で、様々な視点から広域連携支援にまつわる基本的な問題を浮き彫りにしていただいている。

大槌町、石巻市、名取市、南三陸町への長期派遣者による論文では、それぞれの派遣先自治体での担当業務や、担当業務を遂行する上での課題、その解決に向けた思いなどを中心にまとめていただいている。

目    次

■巻 頭 言

東日本大震災から5年、「貢献する都市」としてできること 神戸市長
久元 喜造

■論   文

災害時における広域連携支援の基本問題 新野 幸次郎
岩手県大槌町への復興支援について 青木 利博
石巻市への災害派遣を経験して 伊山 純造
石巻市浸水対策事業への取組
    〜「復興チーム」の一員として
安岡 英之
石巻市での公共建築物災害復旧 榮本 和幸
石巻市への派遣を終えて 井石 昌宏
名取市における被災者健康支援について 那須野 愛子
名取市への派遣を経験して 田上 勝幸
宮城県南三陸町における災害公営住宅の整備 橘 佑一郎
東日本大震災の復旧事業における埋蔵文化財調査に
携わって
  〜宮城県、岩手県陸前高田市、
     そして宮城県石巻市で過ごした3年間の記録〜
西岡 誠司

■関連図書紹介

大震災に学ぶ社会科学 第2巻 震災後の自治体ガバナンス/3.11震災は日本を変えたのか/3.11以後の日本の危機管理を問う/東日本大震災と地域産業復興X 2014.9.11〜2016.3.11 福島の被災中小企業の行方

■特別論文

熊本地震での自治体間の人的支援の枠組みについて 本莊 雄一

■歴史コラム

石橋市長と行政改革 高寄 昇三

■潮  流

天皇陛下の生前退位/消費税増税再延期/ニッポン一億総活躍プラン/ポケモンGO/リオデジャネイロオリンピック・パラリンピック/新元素名は「ニホニウム」/英国がEU離脱へ/南シナ海仲裁裁判判決/イタリア中部地震/G7神戸保健大臣会合/世界トップレベルアクセラレータ・500 Startupsと神戸市の連携/豊能郡環境施設組合によるダイオキシン廃棄物問題

■行政資料

「平成27年度 市の政策課題解決に向けた大学発政策研究・提案等事業研究報告(概要)」

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