2016年4月14日21時26分に熊本県熊本地方を震源とするマグニチュード6.5(暫定値)の「熊本地震」が発生し,益城町では震度7が観測された。

その2日後の16日1時25分にも同地方を震源とするマグニチュード7.3(暫定値)の地震が発生し,益城町と西原村で震度7が観測された。16日以降も,熊本県阿蘇地方や大分県でも規模の大きな地震が相次いで発生した。

この地震による主な被害は,消防庁災害対策本部が公表した5月31日時点での資料によれば,死者49人,震災関連死20人,全壊住宅6990棟,半壊住宅20219棟に上っている。

被害額について,政府は,5月23日に,熊本県,大分県の被害額が計約2.4兆〜4.6兆円(熊本県が約1.8兆円〜3.8兆円,大分県が約0.5兆円〜0.8兆円)に上るとの推計結果を発表した。内訳は,住宅や企業設備などの建築物が約1.6兆円〜3.1兆円,道路や空港などの社会インフラが約0.4兆〜0.7兆円,電気・ガス・上下水道が約0.4兆〜1兆円,熊本城や公園などその他の社会資本が約0.4兆〜0.7兆円としている。ちなみに,近年の震災の被害額と比較して見ると,1995年に発生した阪神・淡路大震災の被害額は約9.9兆円,2004年の新潟県中越地震は約1.7兆円,2011年に発生した東日本大震災は約16.9兆円と推計されており,熊本地震の被害規模は,中越地震を上回る可能性がある。

震災発生からの政府の主な対応状況をあげると,まず,4月14日に非常災害対策本部を立ち上げ,4月26日に激甚災害に指定した。4月28日に,特定非常災害の指定や,行政上の権利利益の満了日の延長,期限内に履行されなかった行政上の義務の免責などの適用を閣議決定し,5月10日に,大規模災害からの復興に関する法律に基づく非常災害の指定を閣議決定した。これにより,被災した地方公共団体からの要請により,国又は都道府県は,その事務に支障のない範囲内で,被災地方公共団体が本来施行することとなる災害復旧事業などを代行できるようになる。

財政支援では,4月20日に,被災地において食料品,飲料水,日常生活品など当面の避難生活に必要となる物資を緊急支援のための経費として,予備費の使用(約23億円)を閣議決定した。「熊本地震復旧等予備費」(約7000億円)を内容とする平成28年度補正予算案を5月13日に閣議決定し,5月17日に成立した。5月31日に,中小企業・農業・観光事業等の事業再開支援とインフラ施設等の復旧のための経費として,「熊本地震復旧等予備費」(約1023億円)を閣議決定した。

神戸市は,「平成28年熊本地震」緊急応援対策本部員会議を設置し,緊急物資の発送や応援職員の派遣を行っている。5月31日時点で,24名の職員が現地で活動している。

一日も早く被災地の皆さんが日常生活を取り戻し,復旧復興を成し遂げることができるように,弊研究所も,調査研究等で協力していきたい。