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第149号(平成24年10月1日号)

特    集
「協働と参画による六甲山を生かした神戸づくり」

六甲山は、自然遺産として、約30〜50万年前から花崗岩隆起活動の結果として瀬戸内海から隆起して形成された山である。これまでも文化資産として守られ、生かされてきた「都市山」である。

その一方で、六甲山系の土地の所有関係を見ると、約9,000haの内訳は、民有林が約4,600ha、市有林約1,800ha、国有林約100haとなっている。このように、公有地が少ないこともあって、神戸港と違って、六甲山系を総合的に管理・運営するしくみが整っていないと指摘されている。また、「協働と参画」によるまちづくり手法の活用によって、六甲山系を体系的かつ継続的に管理・運営していくことが重要である。

当研究所では、このような問題意識の下、昨年7月より神戸市からの委託を受けて「都市資源としての六甲山」をテーマに、市民、事業者、学識経験者、行政が協働で政策研究する研究会を主宰した。研究会では、課題を解決し六甲山をみんなの山にするための方向性について、六甲山で展開されてきたこれまでの取り組みを振り返りながら、様々な角度から検討してきた。

同時期、神戸市では、「六甲山森林整備戦略」の提案が、森林整備を中心にまとめられた。ここでは、森林を維持・再生するために、市民・事業者・行政などが森林の将来像を合意形成を図るとともに、長期的な取り組みを示すこととされている。

今号では、前述の研究会メンバーの論文を掲載し、「協働と参画による六甲山を生かした神戸づくり」についての理解や実践を検討する上での一助としたい。

論文「都市資源としての六甲山とその保全の現代的意義」では、文化遺産・都市資源としての六甲山の歴史的な経緯を踏まえ、官民の六甲山の保全の取り組みについて紹介するとともに、わが国の森林整備の戦略について論じていただいた。

次に、「六甲山におけるブランド化の意義」では、六甲山のブランドとしての力を活用し育成していく際に考慮すべき重要事項について、マーケティングの観点から論じていただいた。
また、「『山上に居る者』の視点から見た六甲山」では、六甲山上にある組織とその取り組みについて論じるとともに、六甲山上の課題と課題に対する提案について論じていただいた。

次に、「六甲山に関わる市民活動が築いたもの」及び「こうべ森の学校は いま」では六甲山における市民団体による活動の取り組みについて論じていただいた。

さらに、「『六甲山森林整備戦略』について」及び「六甲山における森林整備とレクリエーション利用の取り組み」では、六甲山に関する神戸市による森林整備等の最新の取り組みについて紹介いただいた。

最後に、「『協働と参画による六甲山を生かした神戸づくり』の概要」では、研究会での研究成果の概要について紹介している。

目    次

■巻 頭 言

「都市山」六甲山と森林整備
 〜「六甲山森林整備戦略」の実現に向けて〜
神戸市長
矢田 立郎

■論   文

・都市資源としての六甲山とその保全の現代的意義 神戸都市問題研究所理事長
新野 幸次郎
・六甲山におけるブランド化の意義 神戸大学大学院経営学研究科教授
栗木 契
・「山上に居る者」の視点から見た六甲山 六甲摩耶鉄道株式会社代表取締役社長
上田 均
・六甲山に関わる市民活動が築いたもの 六甲山を活用する会代表幹事
堂馬 英二
・こうべ森の学校は いま こうべ森の学校代表
東郷 賢治
・「六甲山森林整備戦略」について 神戸市建設局公園砂防部
六甲山整備室六甲山整備担当部長
松岡 達郎
・六甲山における森林整備と
 レクリエーション利用の取り組み
神戸市建設局公園砂防部
森林整備事務所担当課長
重藤 洋一
・平成23年度「民・学・産との協働による
 政策研究事業」
 「協働と参画による六甲山を生かした神戸づくり」
 の概要
神戸都市問題研究所研究員
梶山 耕司

■関連図書紹介

国土と日本人/日本の農林水産業/環境と植生30講/プラチナ構想ハンドブック

■歴史コラム

市街地整備と西部耕地整理組合 甲南大学名誉教授  高寄 昇三

■潮  流

大都市地域における特別区の設置に関する法律/社会保障と税の一体改革関連法/改正災害対策基本法/南海トラフ巨大地震被害想定/改正著作権法/日本再生戦略/LIBOR不正操作/いじめ自殺問題/ヒッグス粒子/改正出入国管理法施行/クールスポット/神戸スマート都市づくり計画

■行政資料

平成23年度 神戸市グローバル都市戦略の実現に向けた調査研究報告(概要)

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