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第148号(平成24年7月1日号)

特    集
「産業振興におけるスーパーコンピュータの活用」

経済のグローバル化及びIT化の進展により、国際的な相互依存関係がますます深まる中、アジア諸国における大規模なインフラ投資や都市開発、重点産業への戦略的な取り組みが急速に進展している。一体化が進む国際市場では、地域間の競争もかつてないほど激しいものとなっており、これまで日本が世界をリードしてきた先端産業においても、新興国が大きな存在感を示すようになっている。一方、人口減少に伴い、人口や経済機能、産業基盤の東京への更なる一極集中等を背景に神戸を含む関西産業の空洞化も進んでおり、関西が魅力を持ち求心力を高めるためには、自らが持つポテンシャルを最大限に活かしていく必要がある。

平成24年9月、京速コンピュータ「京」の共用が開始されるにあたり、今後、「京」を利用したシミュレーション解析を行い、ものづくり分野における革新的な製品の開発や生産技術の向上や新材料の開発、地震や津波などの災害予測の精度向上など、民間企業による幅広い分野でのスパコンの「産業利用」が期待されている。

また、神戸市が推進しているプロジェクトである「医療産業都市」においても、ライフサイエンス分野で新薬の開発や高度な医療機器の開発にスパコンの利用が期待されている。

そこで本号では、民間企業における「京」を利活用したイノベーションによる研究・開発の取り組みについて取り上げながら、産業の振興におけるスパコンの活用について特集する。

論文「ものづくり分野におけるスパコン「京」の活用」では、スパコン「京」を活用する将来の革新的なものづくりについての展望を論じていただいた。

次に、「創薬における分子シミュレーションとスパコンへの期待」では、新薬の開発に実験とシミュレーション双方から取り組む民間企業が、スパコンを使った創薬開発に取り組んでいる現状と、計算創薬への期待について論じていただいた。

さらに、「スパコン「京」の活用に向けた取り組み」では、高度科学技術研究機構の行う「京」の利用者選定業務、利用支援業務などについてご紹介いただいた。

また、「計算科学振興財団(FOCUS)のスーパーコンピュータ産業利用の取り組み」では、「京」に先行して導入されている産業利用専用のスパコン「FOCUS」について、その活用による企業支援の取り組みをご紹介いただいた。

最後に、「スパコンを活用した産業政策」では、スパコンによる産業政策をめぐる現在の状況、残された課題などについて論じていただいた。

目    次

■巻 頭 言

スーパーコンピュータ「京」の産業利用について 独立行政法人理化学研究所
計算科学研究機構 機構長
平尾 公彦

■論   文

・ものづくり分野におけるスパコン「京」の活用 東京大学生産研究所
革新的シミュレーションセンター長・教授
加藤 千幸
・創薬における分子シミュレーションと
 スパコンへの期待
キッセイ薬品工業株式会社
創薬研究部創薬基盤研究所主任研究員
小沢 知永
・スパコン「京」の活用に向けた取り組み 一般財団法人高度情報科学技術研究機構
産業利用推進コーディネーター
塩原 紀行
一般財団法人高度情報科学技術研究機構
常務理事 神戸センター長
平山 俊雄
・計算科学振興財団(FOCUS)の
 スーパーコンピュータ 産業利用の取り組み
財団法人計算科学振興財団 専務理事
安井 宏
・スパコンを活用した産業政策 神戸エンタープライズプロモーションビューロー
スーパーコンピュータ関連誘致担当課長
松崎 太亮

■関連図書紹介

スーパーコンピュータ(岩波講座 計算科学 別巻)/絵でわかるスーパーコンピュータ/「第3の科学」スーパーコンピュータが拓く産業の明日/産業界におけるコンピュータシミュレーション

■歴史コラム

ドイツマルク債と為替差益 公益財団法人神戸都市問題研究所研究員
大森 光則

■潮  流

関西広域連合/神戸市外郭団体派遣職員への人件費違法支出賠償等請求訴訟 最高裁判決/改正特定非営利活動促進法(NPO法)施行/改正郵政民営化法成立/格安航空会社(LCC)/企業年金消失事件/ガチャ商法/熊本市が政令指定都市に/2012年世紀の天体ショー 金環日食と金星の太陽面通過/G8キャンプデービッドサミット/デザイン・クリエイティブセンター神戸/神戸市夜間景観形成実施計画(都心・ウォーターフロントエリア)の策定

■行政資料

平成23年度チャレンジ研究員研究報告書(概要)

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