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第144号(平成23年7月1日号)

特    集
「自治体における科学・技術の活用」

産業の空洞化への懸念が増大する中で、地域産業の活性化や地域住民の生活の質の向上などを図るために、地域における科学技術振興の必要性が増大している。

第1期科学技術基本計画(平成8年7月閣議決定)において、地域における科学技術振興が、初めて重要事項として位置づけられ、それを受けて、平成7年12月に内閣総理大臣決定された「地域における科学技術の活性化に関する基本指針」に基づき、地域における産学官等の連携・交流を促進することとされた。

神戸市は、阪神・淡路大震災の復興プロジェクトとしてスタートさせた先端医療技術の研究開発拠点を整備し、産学官連携により、21世紀の成長産業である医療関連産業の集積を図る「神戸医療産業都市」を推進している。また、平成23年2月に策定された第5次神戸市基本計画においても、「神戸2015ビジョン」の中で、産業の活性化のための重点施策として「ものづくりの技術向上・人材育成支援」を位置づけ、次世代スーパーコンピューターなどの利活用による技術力向上や、医療機器開発やロボットの開発などを通して市内中小企業の高度化を図ることとしている。

そこで本号では、都市の活性化やQOLの向上、さらには震災からの復興に向けた地方自治体の科学・技術政策のあり方を議論するうえで参考となるよう神戸市における、ナノテク、ライフサイエンス、情報通信、環境などの分野で始まっている取り組みについて取り上げ、様々な角度から考察する。

論文「神戸・ひょうごの存在感」では、ナノバイオ技術を要とした先端科学技術と伝統産業の融合により、地域の存在感を高める取り組みを、「スパコンってなあに?−京速コンピュータ「京(けい)」の成功に向けて計算機科学と計算科学の協業―」では、2012年に供用開始されるスパコン「京」の機能と期待される成果について論じていただいた。また、「神戸市における再生可能エネルギー利用に向けた取り組み」では、こうべバイオガス等での企業の役割、「産学官連携による地元企業支援」では、15年目となる新産業創造研究機構(NIRO)の取り組みと今後の方向性、「神戸医療産業都市の現状」では、神戸医療産業都市において、2012年に整備される施設を中心に紹介いただいた。

なお、本号では、東日本大震災の関連資料として、神戸市における東日本大震災の被災地支援状況について掲載している。

目    次

■巻 頭 言

『科学・技術の基本問題と自治体』 (財)神戸都市問題研究所
理事長 新野幸次郎

■論   文

・「神戸・ひょうごの存在感」 甲南大学先端生命工学研究所(FIBER)
所長 杉本 直己
・「スパコンってなあに?−京速コンピュータ「京(けい)」の
 成功に向けて計算機科学と計算科学の協業―」
独立行政法人理化学研究所
計算科学研究機構
副機構長 米澤 明
・「神戸市における再生可能エネルギー利用に向けた取り組み
〜下水道バイオガス100%有効利用の達成に向けて〜」
神鋼環境ソリューション水処理事業部
資源循環プロジェクト部
杤木 博
・「産学官連携による地元企業支援」 新産業創造研究機構(NIRO)
・「神戸医療産業都市の現状」 神戸市企画調整局
医療産業都市推進本部

■関連図書紹介

生命化学Biochemistry/21世紀の科学技術イノベーション 日本の進むべき道/自治体の知的財産経営 地方再生の新たなシナリオ/イノベータ―日本−国創りに結実する科学技術戦略−

■歴史コラム

「兵庫港地方新道開鑿地域更正」事業に関する史料について 木南 弘
(神戸史学会)

■潮  流

東日本大震災/地域主権改革関連3法/関西・伊丹統合法/平成21年衆院選1票の格差違憲状態判決/全国避難者情報システム/平泉、小笠原諸島、世界遺産登録へ/31年ぶりの4月貿易赤字
/腸管出血性大腸菌O111/国内最大規模の下水道ネットワークシステムの構築/震災復興土地区画整理事業全地区(11地区)完了/神戸市総合コールセンターの開設/東灘処理場における再生可能エネルギー生産−生産・革新的技術実証研究―〜KOBE グリーン・スイーツプロジェクト〜

■行政資料

・平成22年度 神戸市チャレンジ研究員研究報告書(概要) (財)神戸都市問題研究所

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