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第141号(平成22年10月1日号)

特    集
「大都市に期待される役割について」

現代の大都市制度の一つである指定都市制度は、昭和31年に暫定的な制度として発足し、当初5市の指定から始まったものであるが、現在では19市に拡がりを見せ、日本の全人口の2割を占めており、制度発足当時と比較すると、指定都市間においても規模、都市基盤、財政状況、県域における役割などにおいて、顕著な差が生じるに至っている。一方、一つの自治体だけでは解決できない課題も増加し、広域行政の必要性がこれまで以上に高まる中で、道州制の議論や、関西においても関西広域機構(KU)が中心となって、府県を超える広域連合を設置する方向性が示されており、近時では、都制の導入も叫ばれている。神戸市を例にとっても、広域行政の中で果たす責任は大きなものとなっており、今後、大都市が、広域行政の中で果たすべき責任をどのように考え、どのように対応していくかについて、早急に検討することが求められている。

現行の指定都市制度は、我が国を代表する大都市が、世界的な都市間競争や今後の人口減少社会に対応するため、そのポテンシャルを十分に発揮し、日本全体を牽引するエンジンとなるには不十分な制度であるとして、平成22年5月11日開催の「指定都市市長会議in相模原」では、指定都市市長会から次のような提案がなされた。自立した基礎自治体の先行事例となるよう、大都市が地域特性や実情に合わせ、広域自治体や周辺自治体と多様な連携をしながら、創意工夫を行うために、あるべき自治体の一つの姿として、二重制度の自治構造を廃し、広域自治体と指定都市を同格とする「新たな大都市制度の創設に関する指定都市の提案」である。本号では、指定都市市長会からの提案を踏まえて、大都市の役割や課題を多角的に考察する。

目    次

■巻 頭 言

・大都市に期待される役割 神戸市長 矢田立郎

■論   文

・大都市政策における地域主権の確立 関西学院大学経済学部
教授 林 宜嗣
・「妥協の政令指定都市」のための改革戦略 京都大学公共政策大学院
教授 真渕 勝
・大阪都構想と指定都市 甲南大学 名誉教授 高寄 昇三
・あるべき大都市制度の基本的考え方
〜指定都市市長会による「特別自治市(仮称)」の提案〜
神戸市企画調整局企画調整部
主幹 大石 隆
・神戸市における広域サービスの実証分析 平成20年度神戸市政策研究プロジェクト
チーム

■関連図書紹介

大都市のあゆみ/分権型地域再生のすすめ/東京23区自治権拡充運動と「首都行政制度の構想」/
地方分権と大都市−府県制度批判

■歴史コラム

・神戸高速鉄道 元震災復興本部 総括局長 辻 雄史

■潮  流

自治体クラウドポータルサイト/地域主権戦略大綱/所得税更正処分取り消し請求事件/殺人罪の時効廃止/中国GDP世界第2位へ/新成長戦略/プロボノ/貧困ビジネス小惑星「はやぶさ」/歴史的酷暑/阪神港「国際コンテナ戦略港湾」に選定/神戸市行財政改善懇談会意見書

■行政資料

平成21年度神戸市チャレンジ研究員研究報告書(概要) (財)神戸都市問題研究所

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