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第131号 (2008年4月1日号)

特   

景観行政の変遷と意義

 

 昭和53(1978)に神戸市都市景観条例が制定されて30年が経過しようとしている。当時、この条例は自然環境・景観の保全、歴史的建造物・伝統的町並みの保存・修景、市街地・沿道景観の建築物等のコントロールなどを総合的に推進するための条例として全国に先駆けて制定され、その後の全国の条例制定のモデルとされた。制定後、神戸市では都市景観形成地域の指定など条例の趣旨の具体化をすすめてきた。

 その一方で、我が国の景観行政は、法制面では自治体の条例による取り組みに頼ってきたものが、全国的共通の法的規制として平成16年に景観法が制定された。その背景には、我が国経済のソフト化や建築技術の進歩により、まちの景観に対する市民の関心が高まりつつあることが挙げられる。景観法は自治体の裁量の余地も大きく残しており、自治体が、法律の規定に加えて自らの条例・計画による規制・誘導手段を駆使して、より主体的に景観行政に取り組むことを求めている。

 今号では、景観行政をとりあげて、その法制度、行政や市民の新たな取り組みなどの論文を掲載し、これからの都市づくりにおける景観行政のあり方を議論する一助としたい。

 まず「わが国における景観行政の系譜と課題」では、景観形成のための規制・誘導施策の流れを最近の新しい取組みを交えて概観し、景観行政が取り組むべき課題について論じる。次に「景観法のもたらしたもの」では、景観法の社会的・政治的意義とその規律内容への考察を通して、景観行政における法規制の現代的なあり方を、「市街地環境と景観」では、景観形成における法定の計画と個別の開発・建築計画との調整の課題と展望について、英国における計画制度とデザイン政策の例をてがかりに論じ、また、「景観形成と市民活動」では、まちの使い手である企業・住民が主体となって実現した事例を紹介する。さらに、「京都市の新景観政策」「神戸市における景観まちづくりの取り組み」として、昨年大きな政策の転換を試み、全国から改めて注目を集めている古都・京都と、最近はウォーターフロントの景観形成などに新たな動きを見せる神戸の取り組みを紹介する。また、海外レポート「欧米9都市のウォーターフロント開発」にも景観形成を考察する上での参考事例が紹介されているのであわせて参照いただきたい。

 

目   次


巻 頭 言

景観まちづくりへの期待                           笹山 幸俊

論   文
わが国における景観行政の系譜と課題                     安田 丑作
景観法のもたらしたもの −地方分権時代の新しいコントロール手法の可能性−  山下 淳
市街地環境と景観 −イギリスの計画制度におけるデザイン政策から−      小浦 久子
景観形成と市民活動                             山本 俊貞
京都市の新景観政策                             谷 基彦
神戸市における景観まちづくりの取り組み                   伊藤 文平

■海外レポート

欧米9都市のウォーターフロント開発      池口 和雄/林 雅隆/広脇 淳/山本 雄司
トルコ国マルマラ地震に対する復興と防災対策について       本荘 雄一/定岡 由典

歴史コラム

神戸築港と財政苦難                             高寄 昇三


潮   流
消費者行政推進会議 / ワーク・ライフ・バランス憲章 / 住民基本台帳ネットワーク訴訟最高裁判決 /
道路特定財源 / イスラム金融 / 政府系ファンド / 救急医療体制 / IPCC統合報告書 /
G8環境大臣会合の神戸開催 / 神戸市「新型インフルエンザ対策実施計画」 /
「デザイン都市・神戸」を推進するための基本的方針 / 物価安定市民会議

行 政 資 料

みなと神戸の経済調査結果                         神戸市みなと総局

平成18年度神戸ブレイン研究支援事業の報告について       ()神戸市産業振興財団




新 刊 紹 介
自治体職員制度の設計 / ヒット商品を創るデザインの力 / コンパクトシティの計画とデザイン /
今、地方で何が起こっているのか / 伝承 阪神・淡路大震災 / 正直者はバカをみない


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