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第120号 (2005年7月1日号)     特集 地方自治体の人事・給与

  現在、国・地方を通じて、公務員制度改革を巡る議論が活発になってきた。
 現行地方公務員法の特徴は、国家公務員法と同様に、「職」を中心とした人事行政を採用していることである。また、成績主義を根本原則としており、職員の勤務成績を評定し、その結果に応じた措置をとるべきことも定めていることも挙げることができる。
 しかし、運用実態は、任用も給与も「職」を中心とした制度から乖離し、成績や能力との結びつきも曖昧なまま運用されており、この結果、地方公務員の人事管理は、職員の高齢化ともあいまって、硬直的かつインセンティブの少ないものとなっているという問題点が指摘されている。

 そこで、数多くの改革案が出されており、その一つとして、地方公務員制度調査研究会は、平成11年4月に、「地方自治・新時代−地方公務員制度改革の方向−」を提出し、その中で、年功重視から能力・実績主義の人事管理への転換と多様な人材の確保・活用を提言している。
 また、平成13年12月に、「公務員制度改革大綱」が閣議決定された。この大綱の大部分は国家公務員制度改革に関するものであるが、地方公務員制度の改革についても、「地方自治の本旨に基づき、地方公共団体の事情を勘案しながら、・・」「国家公務員制度の改革のスケジュールに準じて速やかに所要の改革を行う」と述べられている。

  地方公務員制度調査研究会の報告書の内容を踏まえて、平成16年6月には、地方公務員法が改正された。この法改正では、任期付採用の拡大等の任用及び勤務形態の多様化、計画的な人材の育成、人事行政運営における公正性及び透明性の確保、人事委員会及び公平委員会の機能の充実などを目指している。

 こうした動きに加え、地方分権への流れや新公共経営(NPM)の適用なども背景として、新しい人事・給与制度を導入する動きが活発化している。人事評価の先進事例としては、岸和田市や寝屋川市などが挙げられる。
 岸和田市では、これまでの「処遇管理型」の人事評価制度とはかなり異なった「人材育成型」の評価制度を開発している。
 また、寝屋川市では、被評価者(部長以上)に対し「360度(多面)評価」を実施している。

 本号では、このような公務員制度改革を視野に入れ、その根幹的な部分である人事・給与制度を中心に、自治体における制度の変遷や現行制度を考察していただくとともに、制度の改革の方向を論述していただき、また改革を考える上で参考となる事例として英国地方自治体や岸和田市・寝屋川市を紹介していただいた。



第120号     目次       特集 地方自治体の人事・給与

 論  文
地方公務員任用の多様化・弾力化 稲継 裕昭 論文
自治体人事給与行政の改革 高寄 昇三 論文
自治体給与システムに関する一考察 野見山 宏 論文
人材育成型人事考課制度の設計思想 小堀 喜康 論文
寝屋川市における360度人事評価制度の取組 寝屋川市総務部人事室 論文
組合の視点からみた地方自治体の人事・給与 大森 光則 論文


 潮  流
灘区と大学との連携協力
AED
日本21世紀ビジョン
認知症
 行 政 資 料
「神戸2010ビジョン」の概要 神戸市企画調整局
平成16年度 神戸市チャレンジ研究員研究報告書 (財)神戸都市問題研究所
 新 刊 紹 介
欧米のまちづくり・都市計画制度―サスティナブル・シティへの途―
スウェーデン・スペシャル(V)
NPMによる経営革新




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