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第119号 (2005年4月1日号)   特集 地域におけるセクター間の連携


  わが国の地域社会には、農耕社会における共同作業の必要性等から発展した相互扶助的コミュニティが根を下ろし、長年、地域ニーズの充足に一定の役割を果たしてきた。
 しかし、高度経済成長期の急激な工業化・都市化の進展は、地域の公共的活動を専門機関の手に委ねる社会的分業化を推し進め、核家族化や少子化、農村部の過疎化等は、地域活動の担い手の不足を生じさせた。

 こうした地域コミュニティの機能衰退を補完してきた行政セクターは、現在、危機的財政状況のもと行政運営の抜本的見直しを迫られている。
 その一方で、少子高齢化の進展に伴う新たなサービス需要の発生や、個人の価値観の変化、治安の悪化など地域課題の複雑化に伴い、公共サービスに対する地域のニーズはますます多様化しつつあり、それらのすべてに行政が対応していくことは、もはや不可能な状況にある。

 今日の地域社会では、住民と行政だけでなく、企業、第3セクター、NPOをはじめとする多種多様な主体が活動している。
 地域ニーズの充足にあたっても、今後は、行政など単独のセクターだけでなく、各主体が連携し、役割や責任を分担していくことが求められる。
 地域に根ざした自治体運営の成否は、これらの主体を統合する協働システム構築の是非にかかっていると言ってもよい。

 こうした状況を背景として、当研究所では、平成15年度、総合研究開発機構の助成を受け「地域連携型セクター(産・官・民)による地域社会活性化」に関する調査・研究を行った。今号では、その研究成果を踏まえ「地域におけるセクター間の連携」について特集した。

 現在、わが国の社会では、統治主体としての行政と統治対象としての市民という関係を基調とする伝統的統治スタイルである「ガバメント」から、多様な主体の協働活動により諸問題の解決を図るという、水平的ネットワーク型統治スタイルである「ガバナンス」への移行が求められている。
 各セクターの連携がそのネットワークの鍵を握ることは言うまでもない。 多様なセクターの連携から生じる相乗効果により地域社会を活性化することが、厳しい経済環境のもとで豊かな社会を創造するため、わが国が目指すべき方向であると考えられる。



第119号  目次   特集 地域におけるセクター間の連携


  
論  文
地域におけるセクター間連携の課題と展望 出井 信夫 論文
NPOの活動事例からみる地域連携のすすめ 中村 順子 論文
セクター間連携によって広がるコミュニティビジネスの可能性 矢ヶ崎 紀子 論文
CSR(企業の社会的責任)を通じたセクター間の連携の現状と課題・方向性 岸田 眞代 論文
「市民による地域活動の推進に関する条例」に影響を及ぼした野田北部地区の取り組み 山田 敏之 論文
多様なセクターが参画・連携する新たな事業体による地域運営を展望して 大島 博文 論文


 潮   流
神戸市次世代育成支援対策推進行動計画
東京都管理職試験訴訟
リスク・コミュニケーション
 行 政 資 料
地域連携型セクター(産・官・民)による地域社会活性化 (財)神戸都市問題研究所
「神戸2010ビジョン(原案)」の概要 神戸市企画調整局





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