トップページヘ戻る
KIURロゴ

理事長 新野 幸次郎 巻頭言

「理事長 新野 幸次郎 巻頭言」一覧へ

神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第91号
  2014年8月1日発行

 

 〜「山の日」制定・施行と神戸市〜

 

公益財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 「海の日」(7月20日)の制定から19年遅れて、この度「山の日」(8月11日)の制定が決まり、2016年から施行されることになりました。日本が世界でも代表的な島国で、日本の気候・風土や日本人の生活が海と深く結びついてきたことを考えますと、「海の日」が施行されていたことは当然ではあります。しかし、小さな国土面積ではありますが、我が国は国土面積中の森林面積では、世界で第5位の森林王国であります。しかもその国土面積全体の中で平野部分は極めて僅かしかありません。同じ島国でも例えば英国は、国土面積中森林面積は9%強しかなく、可住地面積は84.6%もあります。ところが我が国の低地は国土面積の12.7%しかなく、台地11.9%を合わせても平野は25%未満、可住地の面積でも27.3%しかありません。これからも把握できますように、日本の森林は山を中心に拡がり、大石久和氏も強調しておられるように、その山はいわゆる「脊梁山脈」として国土を縦貫しています。その意味では、我が国は世界の中でも独特な山の国でもあります。この度「山の日」が制定されることになったのは遅きに失したと言わねばなりません。
 山と森林は、CO2などを含む地球環境問題で恵まれた条件を保証し、そこからの多くの河川を通じて豊かな海を育て、建材とエネルギー源だけでなく生物多様性を保障する場としても重要な役割を果たしています。しかし、我が国の山は脊梁山脈であるために河川の流れが急流になり、洪水を多発する危険性を抱えています。最近では特に1964年の林業についての関税撤去を契機とした森林経営の困難のために、折角の森林が飽和状態に陥り、間伐もできなく、山の保全が危機に瀕するようになってきました。そんな時に「山の日」が制定されるようになったことは大変有意義だと思います。
 その「山の日」を迎えるにあたって、神戸市は全国に先駆けて有意義な企てをする資格と義務があると思います。なぜなら、神戸が全国一の良港になったのも、六甲山脈が海から隆起して造成されたからで、その意味では六甲山のお蔭です。また、ニューヨークのセントラルパークとは桁違いの大きさで六甲山脈(宝塚からですと、東西35キロメートル、南北3〜6キロメートルの山々)を都市の中に抱え込んでいる都市は全国でも神戸市しかありません。昭和13年、42年の大洪水に襲われ、六甲山保全にも真剣に対処し、その後もいくつかのボランティアの協力を得、最近では市長を先頭に「六甲山森林整備戦略」も実行に移しつつあるところです。さらに、神戸新聞社も世話役になって六甲山の市民生活への活用のために、「六甲山大学」を開学するなど、山を活かすための新しい工夫をしています。私は、新しい「山の日」の事業を神戸市が先頭を切って展開することは、日本にとっても大切なことと思います。



〒651−0083 神戸市中央区浜辺通5丁目1番14号
神戸商工貿易センタービル18F

TEL 078(252)0984

FAX 078(252)0877

KIURバナー
トップページヘ戻る