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理事長 新野 幸次郎 巻頭言

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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第87号
  2014年4月1日発行

 

 〜六甲アイランドの新しい動向〜

 

公益財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 六甲アイランドのP&Gビルが売りに出され、同島で営業活動をしておられる方々はもちろん住民の皆さんも島のこれからについて心配をしておられました。 ところが、1000人ほどのP&Gの職員が移られるのは既に建設中のビルが完成する2年先のことにはなりますが、比較的最近皆さんがほっとされることが起こりました。P&Gの所有されていたビルの購入者が現われ、契約が成立したからです。その方は、私が神戸大学の学長時代、中国出身で神戸大学の留学生になられた鄭剣豪さんという非常に有能で、実行力のある実業家です。その彼の「世界最強タッグ−日中パートナーシップの未来」という著書の出版祝賀講演会が先日もP&Gビルの1階で開かれました。私はその祝賀パーティーで乾杯の挨拶をさせられました。そこで私は、まず第1に日中がお互いのもっていないものを補うように手を結ぶことは大切ですが、それと同時に、お互いに欠けているものを更に世界各国から学びとることも必要ではないかと申しました。またさらに、それに加えて六甲アイランドをコンペで入札し、建設された大橋積水ハウス(株)専務取締役(のちに会長)とP&Gとでつくられた「六甲アイランド基金」(これは大橋専務の発想で、P&Gの同意を得て、六甲アイランドの今後のまちづくりと、神戸市の国際都市化や文化発展のためのボランティア活動を支援するという目的達成に役立つことを目的とした基金)のお話もしました。そのねらいは剣豪さんが、自らの企業活動だけでなく、六甲アイランド基金を設けられたコミュニティ育成の精神を維持強化してほしいという願いからでした。ビルを購入した鄭さんは、それに応えて力強く、コミュニティづくりへの貢献を誓うとともに、何よりも30階もあるビルの利用構想についての夢も語りました。それによると、ビル購入の協力者となった幾多の中国企業経営者の事業所だけでなく、その日も来神されてスピーチをされた上海の博物館経営者の展示場を1階におき、文化的にも貢献したいとのことでした。彼は、すでに六甲アイランドの自治会の方々とも対話をしており、皆さんの歓迎をうけてもいるようでした。
 かつて、大震災直後、政府の復興委員会の提案で、日中 上海・長江−神戸・阪神交易促進会議が結成されたとき、神戸市内に南京町とは別の新しい中国人街を作ってはという発想もありました。しかし、今度のP&Gの中国人実業家の皆さんによる購入と30階もあるそのビルの活用とは、事実上中国企業集団の新しい拠点が形成されることになることを意味します。いま日中両国は国内外でそれぞれ政治的には大変難しい問題を抱えていますが、この六甲アイランドの新しい動きは、ひとり神戸市にとってだけでなく、日中両国の関係に新しい流れを生み出す可能性もないことはありません。



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