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理事長 新野 幸次郎 巻頭言

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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第74号
  2013年3月1日発行

 

 〜自分の使命を自覚する方策〜

 

公益財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 いまどこの国でも教育の在り方で困っています。わが国でもいままで経験したこともない忌わしい事件が頻発し、教育と社会の在り方について深刻な反省がなされています。しかし、その一方でそれとは全く対照的な羨ましいといってよいことも起こっています。スポーツや芸術文化などの領域で、また最近ふえてきた社会人大学院などでの勉学で、普通の人ではとても耐えることができないような試練や苦痛を乗りこえて見事な業績をあげているか、または、あげようと努めている人々がいらっしゃるというのがそれです。政治家や社会的リーダーの中には、忌わしい事件をなくすために新しい教育制度をつくったり、先生方を叱責したりして自分が考えている教育目標の実現を図ろうとする傾向があります。しかし、このように羨ましい生き方をしている人達を見ていると、私はどうしても別の呼びかけ方をしたくなります。
 この方々は、何かを契機にして、自分のしたいこと、やらねばならないことに気付き、その実現を自分の使命と自覚し懸命に努めておられることに注目するというのがそれです。考えてみると、多くの子どもたちは、両親たちが貧しい生活から抜け出すためにどんなに一所懸命働いているかを見ながら育ってきました。だから、自分たちが大きくなったら、何とかして両親によりよい生活を保障できるようになれたらと思ってきたものです。これが、何かの目標設定につながっていました。
 ところが、最近は、いわゆる格差問題はありますが、概して多くの家庭が豊かになってきました。また、親たちも子ども達を頼りにしない生き方をするようになりました。こうした中で、いつの間にか、子としての使命だけでなく、人間としての使命などを考えないで、その都度の関心を満たそうとするだけの人が多くなってきました。これは目標設定の重要な契機の喪失を意味します。  私たちはこの状況から抜け出すために、もう一度貧困になるという訳にはいきません。現状に甘えながらそれなりの生き方をしようとしている人達に、何とかして自分の生きる目標を見出し、その達成を自分の使命として努力しようという気になる方策を見出さねばなりません。それには色々な方法が考えられますが、何よりも感動を与える体験の機会をもって貰うことです。夢にも見た素晴らしい業績をあげられた人や失敗を重ねて稀にみる人間性を確立された人など色々な生々しいお話をきく機会などをもつだけでなく、色々な感動を呼び起こす可能性のある場に臨んでみるというのがそれです。
 人は皆、他の人にはない何かをもって生まれ、育ってきています。それを最大限に生かせる自分だけの目標を確立し、その表現をその使命と考えられるようになれば、他人が真似ることが出来ないほどの力を発揮できるものです。私たちは、そういう人をこれから一人でも多く創っていかねばなりません。



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