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理事長 新野 幸次郎 巻頭言

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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第73号
  2013年2月1日発行

 

 〜信頼と組織運営〜

 

公益財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 どこの家でもその幸せな生活維持のために苦労しています。長く続くデフレ状 態のために、収入の確保が大変で、場合によっては収入のもとになる雇用や事業そのものの心配までしなければなりません。他方、家族が必要と思うものは色々ありますのに、その収入で皆の需要を満たすことができないときは、お互いが欲しいと思っていたものやことを圧縮するしかありません。また場合によっては、ある家族員の必要なものを保障してあげるために、みんなの欲しいものを諦めるしかないこともあります。多くの家庭は、こういうことの繰り返しのなかで、それでもお互に仲良く、幸せに暮らしています。それができるのは、お互いの生活の仕方に隠しごとがなく、家族員の一人としてのお互いの役割を認め合って(この状態は統合といってよいと思います)一所懸命努力しているのだという信頼感があるからです。
 もし、みんなには色々な事情で収入は少ないといいながら、自分だけは収入を隠して贅沢な生活をし、嘘をついている人がいると、信頼が失われて、家族間の統合は失われてしまいます。
 さらに、こういう信頼もなく、不足を訴える家族員を暴力で、あるいは脅迫して抑えつけ、しかも、自分だけは一定の生活を維持しようとする人でもあれば、そんな家庭はいつ崩壊してもおかしくないと言わねばなりません。
 ところで、いま、企業でも、地方自治体でも、また国全体の運営を担っている中央政府でも、すべて解決容易でない経済問題に直面し、その中で社員、市民、国民の幸福感を少しでも改善させようとして色々対策を練っています。その際必要なことは、現在の経済的な国難を克服する施策について有効で説得的なものを見出すだけでなく、その施策とその結果について余すところなく透明性を確保し、国民全体、あるいは、色々な組織構成員の信頼を確保することが要請されます。いま、ギリシャやイタリアやスペインをはじめ、日本、米国など多くの資本主義国で、経済危機とソブリン(国家債務)危機で混迷を重ね、きびしい対策に苦しんでいます。こうした中で、比較的うまく危機脱出の道を見出しつつあるといわれる北欧やカナダのような国々は、それぞれの国の政治・経済の運営で、信頼の確立、そのための前提として透明性を保障しようとしているのは、示唆的です。



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