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理事長 新野 幸次郎 巻頭言

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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第65号
  2012年6月1日発行

 

 〜サーバント・リーダー〜

 

公益財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 社会や組織を変える2つの方式があるといわれます。1つは、「みながそうしたがらなくても、地位や権力によって、自分の意志のとおりのことを強制的にやらせる」方式であり、もう1つは、「個人の人格的な影響力によって、自分の意志どおりのことを人々にやらせる」方式です。前者はいうなら「権力」によるリードの仕方で、後者は「権威」によってリードするやり方です。
 ところで、企業でも行政体でも、そのステイクホルダー(利害関係者)の皆さんの欲求を満たすだけではなく、そのニーズに応えてゆかねばなりません。企業や行政体の利害関係者は、顧客、市民からはじまって実に多様で、それに対応する企業や行政体の人達は、その利害関係者の奉仕者(サーバント)になるよう求められています。しかし、本当のサーバントは、利害関係者の欲求をみたし、その人達のやりたい放題によせてゆくだけではいけません。人々のニーズを見極めて、この人達が人間としてよりよい状態になるように工夫しなければなりません。かつて、マズローは、人間のニーズを5つの段階に分けました。いちばん下の階層では、食料や水や住居が保証されることが、次に安全と安心、そのうえに、愛とか自尊心とかが加わり、これらが満たされると最終的には自己実現、すなわち、最高の自分になること、あるいは、その可能性をつかむことを人間は求めると考えたのです。サーバントは、すべての人々が、この5つのニーズを達成し、その喜びを感ずることができるように奉仕しなければなりません。また、よい奉仕者になろうと思えば、そのことを常日頃考えてゆくことが必要です。そうすれば、考えが行動になり、行動が習慣になり、習慣が人格になる可能性もあり、その人達はすぐれたサーバメント・リーダーになれます。
 以上のことは、最近私のところへ「海と月社」から届けて頂いたジェームス・ハンターの『サーバント・リーダー』という本から私が勝手に抜き出した言葉です。私はエッセイの表題にしたサーバント・リーダーという言葉を何年か前に、神戸大学の金井壽宏教授から彼が資生堂の福原義春名誉会長との対談をまとめた本を頂いてはじめて知り興味深く読みました。ハンターのこの本には、その福原さんの推薦の言葉が掲げられています。
 いま私たちの社会や私たちの属している色々な組織は、おしなべて早急に解決しなければならない課題をもり沢山抱えています。私たちは、この課題解決のために、それぞれの役割に応じてよりよき人間生活をつくるように力を尽くさなければなりません。今回はただ本の紹介のようになりましたが、できるだけ多くの人達がこの本をまず読んで考えてみられることをお奨めします。



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