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理事長 新野 幸次郎 巻頭言

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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第51号
  2011年4月1日発行

 

 〜東日本大震災に思うこと(その1)〜

 

財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 いまわが国最大の課題は、この3月11日に勃発した東日本大震災による大災害にいかに対応するかです。もっとも私たちはいままで、サブ・プライムローン以来の世界同時不況の中で、バブル崩壊後長期不況に悩むわが国経済をどう建て直し、国民生活の向上を図るか、また、そのためにも不可欠の条件の一つとなっている国民の自覚を高め、その自主的な行動を引き出す地域主権の確立をいかにして達成するかという年来の大きな課題と向き合ってきました。グローバリゼーションの中で日本が生き残って行くためには、こうした課題の解決は不可欠のものです。
 今回の大地震と大津波と原子力発電所の事故に伴って生まれた観測史上初の大災害からの被災者の救護、これからの生活復旧と復興の仕事は、こうした日本全体に投げかけられた課題解決のことも意識しながら実行されねばなりません。これは戦後最大の難問です。
 今回の大震災と私たちが16年前に体験した阪神・淡路大震災との違いは震度だけではありません。かつて考えられたこともない500キロメーターに及ぶ被災地域で、しかも、想像を絶する大津波、それに、死の灰の恐怖も加わっています。
 さらに、農・漁業、それに関連した家業的事業も多く、それらの事業は高齢者の負担となって、若・壮年者には出稼ぎも多いとなると大変です。被災者の中に災害弱者が多くなり、しかも、農地も海水に洗われ、港も荒廃して、その復旧も容易ではありません。かつて、阪神・淡路大震災のときは、インフラの復旧はできても復興は難しいと言いましたが、今回は復旧そのものも極めて困難で時間がかかります。
 しかし、世界の人々は、これだけの大災害にあった東北・関東の人たちの行動に賛嘆の声をあげています。16年前の私たちと同じように、いや、それ以上に、この大災害にあえいでいるはずの被災者の皆さんが、整然としかも黙々と、自己犠牲をいとわず立ち向かっておられる姿に感動しての賛嘆です。とはいえ、文字通り筆舌に尽くし難い苦況です。この人たちに生きる歓びを感じて頂き、天災の国ではあるけれど生きていてよかったと思って頂くことが出来るためには、国をあげて支援してゆくことが不可欠です。かつて米沢藩や松代藩の窮乏を身を挺して救った上杉鷹山や恩田木工のように、総理をはじめ諸大臣、国会議員等、わが国をリードする責務についている人達が先頭をきって収入のある比率を拠出するだけでなく、それぞれの生活の仕方まで改変してゆくことが望まれます。それほどの亀鑑を示す覚悟でないと、困窮に苦悩している被災者に生きる歓びを保障することはできません。皆さん、お互いに生き続けるために、手をつないで支援に立ち上がりましょう。



 

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