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理事長 新野 幸次郎 巻頭言

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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第49号
  2011年2月1日発行

 

 〜 みんなポジティブに生きよう 〜

 

財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 企業とか、官庁とかだけでなく、あらゆる組織で近頃役職につこうという気持ちが、職員の間に減退してきているようです。役職だけではありません。海外勤務についても嫌がる傾向が強くなっているようです。給与の点でも責任のある役職について役職手当を貰うより責任のない平の職員で超過勤務手当を貰う方が選好され、給与の差よりも役職につくことの責任の重さと仕事の困難さやストレスの大きさを考えると、年功加算式な給与で平々凡々と気楽に過ごす方がよいといういわゆる草食系の人達が増えてきたからだといわれます。海外勤務の場合も、以前に比べると給与面での魅力が大きく減退したこともありますが、グローバリゼーションの展開で、比較的楽しく生活をエンジョイできる国だけでなく、全く逆の環境で我慢しなければならない国への勤務も多くなり、しかも、何よりも外国の言葉に苦労することが嫌がられているようです。
 こうした傾向は、大学生諸君の中でも顕著になり、外国留学を希望する学生は大幅に減少しています。中国やインドなど一人当たりの国民所得が低く、ハングリー精神が旺盛で、しかも将来への発展が確信されている国々からの留学生が顕著に増大しているのを考えると、日本の大学生諸君、ことに男子学生諸君の気力のなさというのは留学先の国々からもとりあげられています。
 人間はみな激しい生存競争の中で必死に生きています。そのためには、こういうネガティブな反応、すなわち、難しいこと、負担になることから逃げようとすることも決して無意味ではありません。それは自らの生存確率を高める一つの方策でもあります。
 しかし、こうした生き方を続けていると、残念ながら、仕事をなしとげた「喜び」も人々への「感謝」の気持ちも、何事についての「興味」も「希望」も、またこんなこともやりとげたぞといった「誇り」も感ずることができなくなってしまいます。人間は、たんに生きていることだけで満足できるのではありません。人間は、みな、何らかの形で充実した人生を送りたい、自分らしく生きたいと思って生きているはずです。そのためには、ただ生きているだけでなく、生きていることの「喜び」を見いだし、色々なことに「興味」をもち「希望」に眼を輝かせ、自分の生き様に「誇り」を感じながら生きてゆきたいものです。そのためには、どうしても、ネガティブな気持ちを抑えて、その何倍かの強い力で、ポジティブな気持ちを強くする努力を積み重ねて行かねばなりません。そんなことを考えてゆくのに、格好な本が最近翻訳されました。天才心理学者として称揚されているバーバラ・フレドリクソンの『ポジティブな人だけがうまくいく3:1の法則』(面白い題名になっていますが、原著の題名はただ『ポジティビティ』となっています)という本がそれです。
 こういう紹介をすると、まるで出版社から報酬を頂いて宣伝しているように思われるかもしれませんが、もちろんそうではありません。ただ、最近の一部の人達にみられるネガティブな発想は、夫々の勤めている組織の活力を減退させ、その組織が相手にしている人達の不満を増大させるだけでなく、当の人達の生き甲斐を見失わせ、その気力を失遂させてしまうことになるのではないかと恐れるからです。



 

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