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理事長 新野 幸次郎 巻頭言

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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第47号
  2010年12月1日発行

 

 〜 人の心を掴める人になりたい 〜

 

財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 つい最近、2004年アテネ五輪サッカー日本代表監督だった山本昌邦さんの話をお聞きする機会をもつことができました。サッカーの優れた選手達は、みな出色の技術と体力と戦略をもっているが、その中で傑出した選手というのは、この三つのことの他に何かを追い求めようと普通の人ができないような努力をしている人たちのようです。しかも、彼らは、共通して、負けずぎらいで、自分で築きあげる能力と高い目標をもっていることもあって極めて個性的でそれなりの自信家でもありますから、他人の意見を簡単には受け入れようとしない面ももっているといわれます。こういう人達をリードし、よい成績をあげるための苦心を山本さんは、お話しになったわけです。
私たちは人と人との中で生きていますから他の人達に自分が理解して貰えるようにしようと誰でも努力しているはずです。そういうなかで秀れたリーダーになるためには、特別な努力が必要です。その一つの方法は、陽明学の勉強はいうまでもなく、偉人伝などの本を読み、それに加えて実際に人格向上のために修行を重ねるやり方です。
ここでとりあげておきました山本元監督のお話も、暗黙知型といってよい人の心を掴むための実践をしてこられたお話です。人間は他人にやらされることは嫌いで、自分でやろうと思ったことなら一所懸命打ち込むものですから、自分でよい答えを気づかせるように問いかけられる能力をもたないと尊敬して貰えるリーダーにはなれないとか、彼らに今迄のやり方を改めてやって貰おうと思ったら誰を主語にした話をしたらよいかを考えねばならないとか、本当に細かい配慮がなされているのです。選手たちのストレスをうまく軽減したり、なくしたりする工夫と、実際に勝つことより、勝ちたいと思う心を育てることが大切だとか、色々なお話を聞いていて、組織のリーダーというよりすべての市役所の職員の皆さんも、市民の皆さんの心を掴める公務員になって頂かねばならない時代がきていることを想起いたしました。
人の心を掴むための研究は、最近米国では心理学を中心に展開されています。さきほどの色々な人の実際の経験などから学びとろうとする暗黙知型の勉強に対して、こういう心理学的な接近は、形式知型の勉強と努力になります。どちらの方法が、本当に人の心を掴むのに実効性があるかは別として、私たちお互いに人の心を掴める人間になる努力をすることが、どれだけ必要なことかを思い知らされる時代になりました。お互いに努力したいものです。



 

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