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理事長 新野 幸次郎 巻頭言


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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第44号
  2010年9月1日発行

 

 〜 子供たちが行きたいと思うところを創ろう 〜

 

財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 私は、図らずも兵庫県立美術館の運営会議座長を開館以来務めさせて頂いています。歴代館長・副館長はじめ学芸員・職員の皆さんが大変熱心にその運営に努めてられていることは周知の事実です。しかし、振り返ってみると、年によっては、美術館来館者数が意図通りにならないこともあって、苦労したこともあります。
 そんな時、私は、当時話題になっていた旭川の旭山動物園と金沢の21世紀美術館のことを何回か取り上げてその研究をおすすめしました。この2つに共通しているのは、何よりも子供たちが興味を持ち、彼らが何回でも行ってみたいと思う仕組みを作り上げていたことでした。県立美術館の前副館長と現副館長は、共に大変意欲的な方で、運営会議で話題にした「子供たちが何回でも行ってみようと思う美術館」にするための知恵を次々と発見してこられました。お陰で、数年前から徐々に来館者数も増え、昨年度は遂にゴッホ展を催した開館年次の100万人を超える来館者を迎えることになり、全国でもまた注目されることになりました。しかもゴッホ展の時とは違って、昨年度は何よりも子供さんたちの来館が多数にのぼりました。その一つの原因は、『だまし絵展』やジブリの絵職人『男鹿和雄展』など子供さん達の関心の強い特別展があったことにもよります。幸い、あの金沢の美術館長を勤められた蓑さんが今年度から兵庫県立美術館長に着任され、県立美術館の発展は磐石のものになりました。
 美術館の優劣は、もちろん、来館者数だけで判断されるのではありません。しかし、来館者、とくに「子供たちが興味を持ち、何回でも行ってみようと思うところ」というキーワードは、一般に地域振興のポイントを示す大切な言葉でもあります。子供たちが興味をもち、何回でも行ってみようと思うところづくりは、特定の場所だけでなく、まちづくり全体にも生かされることが必要です。しかも、そういう場所づくりやまちづくりのためには、大人たちがありとあらゆる知恵を働かせてその方策を発見して行くことが必要です。しかも、それには、ちょっとした風変わりなハードづくりではなく、子供たちの身になって、子供たちの現在と将来の意欲と満足を引き出し、時には厳しい忠告や戒告も含めて後になってこんなものを創って頂いて、自分たちの今日があると感謝して貰えるような心配りが必要です。こういうまちづくりができれば、それは人づくりにも役立つことになりますから、お互いに力を尽くしたいものです。



 

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