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理事長 新野 幸次郎 巻頭言

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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第41号
  2010年6月1日発行

 

 〜 六甲山をみんなの山にする工夫(その1) 〜

 

財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 今年は、六甲山開山115周年になります。居留地に住んでいた英国人の貿易商A・H・グルームさんが六甲山の三国池付近に約1万坪の土地を借り、別荘を建てたのが、明治28年(1895年)だったこと、また彼が着手した六甲山上のゴルフ場の18フォールが完成した年でもあったことからの計算です。これを記念して、つい最近「阪神・阪急六甲有馬連携推進協議会」が結成されました。これは阪神電鉄(株)と阪急電鉄(株)とが合併を契機に共同してつくられたものですが、今年の7月には、阪神電鉄(株)は、六甲新展望台をオープンされます。また、今年は丁度温泉好きで知られた太閤秀吉が有馬温泉の泉源の改修を命じて(天正13年・1585年)から425周年になることもあってこの協議会で六甲山・有馬を一体として色々な行事も展開して行うという計画も立てておられます。
 六甲山系は、東西35km、南北5〜6kmになる広さをもっています。先般も、世界の主要都市および日本の政令指定都市の人口千人当たり公園面積が某紙で比較されたことがありますが、わが神戸市のいわゆる都市公園面積は、日本の諸都市の中では一番広く、外国ではパリとほぼ同じ大きさということになっています。しかし、これには六甲山系は入っていません。もし、神戸市域になっている六甲山系全体を広い意味の公園面積に算入するとしたらニューヨークのセントラル・パークどころとは比較にならない広さになります。そういうこともあってか、大阪に本部を置いておられる日本テレワーク学会のリゾートオフィス研究部会では、かねてより軽井沢・天草・白浜などと並んで六甲山を関西のリゾートオフィスの場として選び、研究を始められその具体化のための歩みを始めておられます。
 しかし、考えてみると六甲山系は不思議な山系です。かつて、アーバン・リゾート都市神戸の講演会をもったとき、講演をして頂いたアメリカの有名な社会学者ドナルド・ベルさんは、神戸は人が風景にぜひ取り入れたいと望む海と山の二つの要素を備えた素晴らしいまちだといわれました。その海については、「みなと総局」があるのに、六甲山系については、その総合的な管理・運営を図る部局も統括官のような責任者もおりません。
 これは、国土面積の7割強を山岳部としてもつわが国に港湾に対するような統轄的な行政が行われてこなかったことを反映しています。終戦後の日本人の心を励ました「青い山脈」という歌もありました。あれは作詞家西條八十さんが汽車で六甲山を見ながら神戸市内を通過したときに思い付いたといわれています。私たちは、開山115周年を契機にあらためて六甲山をみんなの山にする工夫を考えてみることが必要です。



 

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