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理事長 新野 幸次郎 巻頭言


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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第38号
  2010年3月1日発行

 

 〜 考えることを小学校から教える国 〜

 

財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 わが国の若い人達はオカルト現象といわれる超自然的な現象やオーム真理教のような新宗教などいわゆる不思議な現象をそのまま信じ込むようになり易いといわれます。その原因は色々考えられますが、一つの答だけが導きだされるようになっている教科書を暗記するだけで、ものごとを色々な視角から考えて複数の答えを引き出し、その答えの正当性についてあれこれ考えるようになっていないからだともいわれます。
 そういう信じ込み方だと、テレビや携帯電話で見ることは、疑うことなく受け入れることになります。これではよく行われている与論調査で私たちは重大な判断をするようになっていますが、その与論は実はテレビや新聞などで言われていることの受け売りの結果と言ってもよいかもしれません。劇場風な「仕分け」や、かつての小泉さん発言などがもてはやされるのもその延長線上のことだと理解されます。
 こういう危険を克服するためには、みなしっかりと自分で考え、独自に判断して、行動するようになっていなければなりません。「世間」の人がある考え方をし、ある行動をしているから私もそれに従いましょうというのではいけません。
 そんなことを考えて、色々な本を読んでいるうちに、私は「クリティカル・シンキング」という思考方法が注目され出したことに気付きました。そういえば、比較的最近、アメリカで、小学校から暗記するのではなく、他人の色々な考え方を受け入れ、しかも、しっかりした基準に従って論理的にモノを考える考え方を広げてゆこうとする動きがあることを教えられました。それを解明する「考えることを教える」といった題の学術的な本も出版されています。
 最近日本でも新聞を教育に利用するという試みが拡まり、私も兵庫県での最初の試みのお世話をしてきましたが、新聞記事は答えが一つしか準備していない教科書の勉強とは違って、色々な答えのでる事象をとりあげております。これは自分なりにものを考えるのに格好の材料でもあります。
 そんなことを考えながら、私はいまからわが国でも真剣に小学生から「適切な規準や根拠に基づく、論理的で偏りのない思考」を出来るように工夫してゆくことが必要になってきたと思います。



 

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