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理事長 新野 幸次郎 巻頭言

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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第35号
  2009年12月1日発行

 

 〜 長寿者活性化の示唆 〜

 

財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 先日ある団体が「長寿国ニッポン」を活性化するというテーマでシンポジウムを開催されました。その時、フロアから75歳を超えた人が立たれて、「自分たちは今何もすることがない世代になった。これをまず何とかしてほしい」と発言されました。そのあと今度は80歳を超えた人が「私はまだ自分でやらねばならないという課題を決めて生きていて、ボランタリイに毎日その課題達成のために働いている。人生は死ぬまで自分で仕事を見出して働かねばならない」と他人まかせのように言われた人に反論されました。
 実際、65歳以上の長寿者(もっとも今までは80歳以上でないと長寿とはいえないかもしれません)で、8割をこえる人が元気であり、おまけにその長寿者が人口総数の中で大きな比率を占めるようになりつつある長寿社会では、この方々にどれだけ積極的な役割を果たして頂けるようにできるかどうかが社会全体の命運を決めることになります。私の知人でも定年退職されて暫くたってから、大学や大学院に再入学されて今迄学びたいと思っていたことに集中されている人もあります。放送大学でお聞きしますと、ここで勉強しておられる長寿者が段々増えています。神戸市でも「しあわせの村」にある「シルバーカレッジ」は大変な人気で卒業生からは大学院をつくってほしいという強い希望まであります。それだけではなく、このカレッジの1,000人を超える卒業生が、グループ「わ」をつくって、福祉活動に打ち込んでおられます。
 東北大学の有名な川島隆太先生は、さきにこの欄でも私が紹介しましたように脳を活性化する三つの方法を力説されております。(1)読み、書き、計算、とくに声に出して読むこと、(2)コミュニケーション(他人と交わり、会話を楽しむこと)、および(3)手を動かすこと(興味深いことに、中でも料理が一番有効とされています)をあげ(『現代人のための脳鍛錬』文芸新書),この三つをうまく活用して認知症を克服した例もあげておられます。
 また最近注目すべき本を出版された日本大学の林成之先生は脳神経外科の研究にもとづいて脳力をアップする方法を具体的に示されています。すなわち(1)何事でも興味をもつと脳力はぐんとよくなる。(2)嫌だ、疲れたといわないようにするなど等の7つの習慣がそれです(『脳に悪い7つの習慣』幻冬舎新書、『脳力開発マップのススメ』NHK出版生活人新書)。私は長寿を保っておられる皆さんはもちろん、若い人達でもこういったご研究をよく消化して長寿社会活性化に努めて頂くよう念じています。
 もっとも、私の親しくしている80歳を超える男性が、認知症になっている同い年の奥さんの世話の介護に文字通り疲労困憊していることを想うと長寿者活性化がどれだけ難しいことかは確認しておかざるをえません。長寿者活性化という課題をいかに解決して行くかは、現代社会の最大の課題の一つです。



 

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