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理事長 新野 幸次郎 巻頭言

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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第31号
  2009年8月3日発行

 

 〜 心で見えるものと心で聞けるもの 〜

 

財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 先日恒例のYMCA午餐会で、関西学院初等部長の磯貝曉成先生のお話を聞く機会を得ました。演題は「日本の中等教育に欠落していたもの、それは一人ひとりの心」でした。先生は大学を卒業されてから30数年ある女子中学高等学校の教諭・副校長をつとめてこられた方です。この近年、その女子生徒たちの中に、自分の居場所を見失い、自分に疲れてしまっている者が増えてきたといわれ、先生はその原因は彼女たち自身や学校の先生方や家族に心がなくなってきているからではないかと言われるのです。
 そう言えば、テレビや携帯電話やコンピュータが象徴的なように私たちは目で見えるもの、耳で聞けるものによりかかり、それを信じて生きるようになってきました。それもあって、何ごとでも「見える化」することが人々を説得しリードする最高の方法と考えられるようにもなりました。また、学校でのすべての行動とその結果も、成績表が典型的なようにすべて見える形だけで捉えるようになっています。こうしていつの間にか、友達の評価もこうして目で見えるもの、耳で聞くものだけでするようになってしまいました。
 私たちは人と人との交わり、出会いの中で生きているのですが、その交わりで私たちに感動を与えたり、生きる力や希望を与えてくれる思いやりとか優しさとか友情とかは目で見えるようになっている訳ではありません。それらは磯貝先生の言われるように心で見、心で聞き出してゆくことが必要です。この目に見えないものを見たり、耳で聞くことができないものを聞いたりできるようにする心を、私たちは、親として、友人として、また教師として、また公務員あるいは市民としてお互いに育てあげることにこれから一所懸命努力しなければなりません。
 心が欠落し、目で見えるもの、耳で聞こえるものだけに頼って生きている市民から成り立っている都市は、実は生きた人間のいない都市といわねばなりません。



 

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