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理事長 新野 幸次郎 巻頭言

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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第25号
  2009年2月2日発行

 

 〜 M.ユヌスさんの社会的ビジネスの勧め 〜

 

財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 2006年のノーベル平和賞受賞者で、バングラディッシュのグラミン銀行の頭取でもある経済学者のムハマド・ユヌスさんが、最近興味深い提案をされました。英字朝日新聞にそれが詳しく紹介されました。また、朝日新聞にも簡潔に紹介されていたとのことですから皆さんも既にご承知のことと思います。
 ユヌスさんに言わせると、資本主義は人間を、強欲なお金づくりの機械に過ぎないと仮想して構築されているが、人間はもともと利己的な側面と没利己的な側面の両面をもっているものです。したがって、ビジネスのやり方にも、お金づくりで自分の財産を豊かにするやり方と、自分のお金を世の中を変革したり、皆さんが直面している困難な問題を解決するために使うビジネスのやり方との二つがあるといわれるのです。
 この後者のビジネスをユヌスさんは、「社会的ビジネス」といわれ、二つの会社の例をあげておられます。一つは栄養食品を生産している会社で、もう一つは清浄水を供給している会社です。
 最初の会社は、栄養不良の子供達の問題を解決するための食品会社で、二番目の会社は砒素が多いバングラディッシュで清浄な水を確保し供給する会社です。これらの会社は何れも利益をあげて、株主に配当することを目的とせず、しかも、慈善事業としてではなく、会社組織として効率性を確保しながら運営されるのです。会社存続のためには利益があがるように運営されねばなりませんが、その利益をすべてその事業の拡大と改善のために用いられるという訳です。
 ユヌスさんは、そして最後にいわれます。アジア人は、自分のためだけでなく、家族のために、友人やコミュニティのために働くことに歓びを見出す人たちです。したがって、こういう社会的ビジネスは、アジアでとくに発展できるはずですと。もっとも、社会的ビジネスは、もともと西欧でいわれはじめ、わが国でも最近「エコノミスト」誌でも紹介されているように徐々に拡大しています。金儲け一点張りのようにいわれる資本主義経済のなかで注目してよい企業展開の新しい方策と言ってよいでしょう。



 

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