トップページヘ戻る
KIURロゴ

理事長 新野 幸次郎 巻頭言

「理事長 新野 幸次郎 巻頭言」一覧へ

神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第23号
  2008年12月1日発行

 

 〜 プラトンの三つの種族と現代 〜

 

財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 古典を読むと有り難いことが多いものです。先日もプラトンの『国家』を読み直してあらためて考えさせられました。あの中には、人間を三つの種族に分けたお話が載っています。(1)鉄と銅の種族、(2)銀の種族、(3)金の種族がそれです。(1)鉄と銅の種族というのは、自分の欲望だけを追い求め、そのための金儲けに熱中する人々です。また(2)銀の種族というのは、勇気があり、名誉欲にかられている人たちです。最後の(3)金の種族というのは、物欲も名誉欲もなく、ただひたすら善を求めて活動する人々で、理性の人々といってもよい人たちです。
 プラトンと同時代のソクラテスは、立派な社会をつくるために、人々に富を追うな、名誉を求めるな、ただ魂をすぐれたものにするように努めよと呼びかけました。もし、本当にすべての人々が、そうなるならば、法律も国家もいらない、理想的な社会ができあがります。
 その点プラトンは、鉄と銅の種族も銀の種族も活動して貰わなければならないが、ただ国家の統治だけは国家や人間にとって何が善であり幸福であるかを知っている金の種族に委ねるようにしなければいけないと申しました。
 考えてみると、現代は、どこの国でも鉄と銅の種族や銀の種族が国家を統治する立場に立つようになっています。国が独立し、経済的に発展するためには、有能な鉄と銅の種族や銀の種族がいなければなりませんが、国民を幸せにするためには、どうしても金の種族が尊敬されて他の二つの種族をリードできるようにならなければなりません。
 こんな当り前のお話が、紀元前四百年余も前に述べられていることを、私たちはあらためて復習しなければなりません。人間と人間が創る社会というのは、二千年以上前から不変なのです。



 

6510083 神戸市中央区浜辺通5丁目114
神戸商工貿易センタービル18

TEL 078(252)0984

FAX 078(252)0877

KIURバナー
トップページヘ戻る