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理事長 新野 幸次郎 巻頭言

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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第20号
  2008年9月1日発行

 

 〜 ある新聞社の論説委員の嘆き 〜

 

財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 最近私たちの判断や考え方にテレビが大変大きな影響を与えるようになりました。
その情況を憂えてある新聞社の論説委員がこう言われました。「私たち新聞社では永年に亘って、各分野についての専門家を養成し、論説にあたらせている。その点、最近のテレビは、ほとんどその種の専門家を育てる努力はしないで、断定的な話をされる 一部の有識者とずぶの素人と言ってよい有名人を集めて正月番組のように面白おかしく語らせている。ところが残念なことにそれもあって活字を読んで自分で考えるのではなく、眼で見るだけの、すなわち、アナログ的な、世論形成も行われるようになっています。これは大変危険な徴候といわねばなりません」と。
 このご意見は、販売部数の減少で悩んでおられる新聞社の方の営業的なアピールとして切り捨てる訳にはゆきません。そういえば、政治家の人気も、今迄テレビ番組にしばしば登場していた人だとか、テレビ番組編集者が興味をもったことを行なっている程度に応じて上下しています。たしかに、住民生活の実態を考えると政治家の能力や真意がこんなことだけで評価されるというのは困ったものです。視聴率万能で運営されているテレビ放送の在り方を改革するために、スポンサーの皆さんを含む根本的な検討が不可欠です。
 しかし、それと同時に、何でもアナログ化され易い現代、行政や政治家も夫々の政策や行動の広報活動について抜本的な改革を図らねばならないことも事実です。いや、政策のとりあげ方や行動の仕方についても今迄とは全く違った新しいアプローチの仕方を考えなければなりません。
 私は嘗つて、瀬戸内寂聴さんと並んでお話をする機会を与えられたことがあります。その時、私はしみじみと私の話しの仕方を反省させられました。私はどうしても論理というか理屈で話を続けようとします。しかし瀬戸内さんは、ご自分のご体験で、こんな時私はこうしましたといった調子でお話をされます。言うなら、物語り風にお話をされるのです。行政の色々な仕事も、瀬戸内さん流の物語り風に説明してゆけないものかと思います。もし、そうできれば、いくつかの仕事はテレビで取り上げないといけないようなものに変って行くかもしれません。
 もっとも、最初にとりあげさせて頂いたように、本当に大切なことは、ただアナログ的に受け止めて頂くだけではなく、市民の皆さんにしっかり考えて頂いて協働して貰えるようにしなければなりませんことも忘れてはなりません。



 

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