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理事長 新野 幸次郎 巻頭言

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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第18号
  2008年7月1日発行

 

 〜 呂宋(ルソン)の壷と公務員 〜

 

財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 実業界では目前の利益獲得を目的にしてはいけないといわれます。その事業が社会に役立つものであるとの自信がある限り、どんな困難があろうと顧客と社会が眞に必要とするものに応えるために毎日毎日、商品とサービスの「改善」に全力を傾けなければ生き残れないというわけです。その実例を、毎週日曜日の午前8時からNHKテレビの「ルソンの壺」が紹介しています。
 兵庫県下、いや、神戸市内の企業でも今迄に何社かがその素晴らしい成果をあげたというので紹介されてきました。皆さんもきっとご覧になったことと思います。つい最近では、阪神・淡路大震災時の火災で消火に水が使えなくなったことを契機として発案された泡消火の実用化の例が報道されました。同じ消火でもこの方法だと水の使用量は17分の1ですむとのことです。
 この番組を何回かみながら、私は考えさせられました。私が専門にしている経済学の研究では、残された問題があるものですから、私は私なりに毎日その問題解決のためにああでもない、こうでもないと思案を重ねています。ところが、公務員として従事していた大学の教育の一部や学部長や学長としての管理職の仕事となると、私は申し訳ないことに、その努力をしないですますことも多かったと告白せざるをえません。
 「ルソンの壺」でとりあげられているような「改善」や新しい発想を実現しようとすると大学のなかでいろいろな抵抗もあり、慣行打破には大変な努力をしなければならないことが多いので、つい着手せずにすませてしまったことが沢山あるのです。企業の場合には、そうした「改善」を積み重ねなければ、激しい競争の中で当該企業が落ちこぼれてしまいます。私のような公務員としての態度をもつものが多い会社は破産してしまわなければなりません。幸か不幸か、私が公務員として万全の働らきをしないできました国立大学は、この数年前に法人化され「経営」体に変ってしまいました。私はあらためて、責任を痛感しているところです。
 そんな私が、申しあげるのは申し訳ありません。いま公務員を取囲む状況は、従来とは根本的に変ってきました。公共団体も下手をすると破産することも考えておかねばなりません。「ルソンの壺」は、企業だけの問題ではなく、公共団体、その担い手である公務員にとっても忘れてはならないものになってきました。



 

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