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理事長 新野 幸次郎 巻頭言


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神戸都市問題研究所メールマガジン「マンスリーレポート」 第16号
  2008年5月1日発行

 

 〜 防災監、観光監といわゆる縦割行政 〜

 

財団法人神戸都市問題研究所 理事長 新野 幸次郎

 
 阪神・淡路大震災を契機に、多くの自治体で防災監(神戸市では危機管理監)が職制として設けられました。震災そのものが、従来の縦割の行政機構別の対応では統括し難く、従ってその救援・復興対策の策定・実行および検証のためにもその全過程を所管する部署が必要であると痛感されるようになったからです。実際、被災した市民は、自分たちの生活復興のために、あれでもない、これでもないといわれて、関係の部署巡りをしていけるのではたまりません。被災者からは、救援や復興のすべての問題が、いわゆるワン・ストップ・サービスの形で相談・処理できるようになっていないと、ああいう混乱時にはとくに困ります。兵庫県・神戸市などは、こうした事態に対応するためにその内容には差異はありますが、全国に先駆けてこうした職制を設けて今日に至っています。
 しかし、市民だけでなく行政の立場から考えてもいわゆる縦割行政では困ることは他にも色々あります。神戸市では観光監が設けられましたが、それも一つの事例です。一つの都市を文字通り観光都市にしようと思えば、たんに従来の一部局だけではその実現は困難です。観光都市づくりのためには、神戸市のような場合、みなと総局から都市計画総局、建設局、産業振興局、環境局などなどの全面的な協力をえて、外国人はもちろん、日本各地域の人々からみても神戸は素晴らしい景観と諸施設をもった都市だと思われるような町づくりをしておかなければなりません。観光は、またハードだけでなくそこでないと経験できない文化と何よりも輝く心をもった住民によって支えられていなければなりませんから、役所の他に優れた文化人の集団や何よりも忘れられない思いやりの心をもった住民の支えがないといけません。そうした分野すべてに眼を向け、その総合的な改善に傾注できる観光監のようなものがどうしても不可欠になります。
 もっとも、考えてみれば、多様な生活環境の中で、多様な行政への要請をもっている市民の満足を少しでも充足し、改善しようとすれば、こうしたアプローチの仕方は、防災監や観光監だけに限定していてはいけません。市民生活に関係するすべての分野で、自治体のすべての部局は、従来の縦割行政的発想をやめて市民の要請に応えようとする意欲的な心がまえとそれを保障する仕組づくりが必要になってきました。新しい集客都市、デザイン都市はこれなしにはできあがりません。



 

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